*薔薇物語*

【薔薇物語】~Taurus edition~

この世界には、薔薇という美しいお花が存在するの。

うん。薔薇は美しい。

ママと一緒に、お花屋さんに行った時、色々な種類の薔薇を見たの。

そして、“確かに薔薇は美しい”と、わたしは感じたの。

だけれど、美しいと感じるものはひとつではないし、美しさの形もひとつではないと思ったりするの。

例えば、幼稚園のお庭に咲いているタンポポも、美しいし・・可愛い。

昨日、ママが着ていた花柄のふわふわしたブラウスも、美しいし・・ときめく。

いつも幼稚園の先生が弾いてくれるピアノの音も、美しいし・・綺麗。

美しいと、可愛い。

美しいと、ときめき。

美しいと、綺麗。

何となく似ているけれど、でもきっと、全く違うの。

どんな風に?どこが違う?

考えてもよく分からないし・・誰かに聞かれても、上手に説明出来ないけれど・・

でも、ひとつひとつ違っていて、それぞれ違った美しさがあって、可愛いし、ときめくし、綺麗。そう感じるの。

そしてね、その中から、わたしは“わたしが特別に美しい”と感じるものを選んで、わたしのお気に入りを、ずっとずっと大事に出来たら・・それが何より素敵だと思うの。

ママもね、パパからもらった薔薇の花束を、時々ポプリにしているの。

「乾燥させた花びらにアロマオイルを垂らして、ポプリにするとね、ずっと香りを楽しむことが出来るのよ。」

そう。ママは、パパからもらった薔薇の美しさを、小さなガラス瓶に閉じ込めて、ずっとずっと“ママの特別”として大事にしているの。

そして、そのポプリの香りがね・・言葉で表現出来ないけれど・・本当に良い香りだったの。

だからやっぱり、“確かに薔薇は美しい”。

でも、その美しさは、ひとつだけじゃないし、目に見えるものだけじゃない。

だってね、鮮やかな色を失って、カサカサに乾いた花びらになっても薔薇は美しいの。

わたしはそう感じたし、そう感じることが出来るわたしに出会えて、わたしは嬉しい。

きっと、たくさん感じたら、見えて来るの。わたしにとって特別なもの。

そして、・・いつか、

わたしの特別を、感じ取って大事に守ってくれる、特別な誰かに・・わたしの特別を贈るのかな。

わたしが心から美しいと感じる薔薇を添えてね。

・・だけど、焦っても特別は見付からないし、ひとつひとつ、ゆっくりゆっくり感じていたい。

だから、とりあえず・・

今日は、ママと一緒に薔薇の形のチョコレートを食べて、ぼんやりのんびり過ごすの。

この世界には、甘くて美味しい薔薇も存在するみたい。

お口の中でチョコレートが溶けてゆくように・・わたしを通して、じっくりと味わうの。この世界を。

いつか、“薔薇の美しさ”を言葉に出来るように。

そして、

薔薇の美しさを、心の中のガラス瓶に閉じ込めて・・ずっとずっと変わらずに・・そのまま大事に出来るように。

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美しい薔薇には棘がある。

指先を痛めて・・初めて気付くの。

そして、美しさの中に隠された何かを感じるの。

だけれど・・それが何なのか、まだ曖昧で・・言葉にすることが難しい。

だから・・今は、分からないままで良いの。

触れて、指先を痛めて感じた何かを、心の奥深くに沈めて、“美しさ”を濁したりしないの。

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牡牛座/Taurus

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key phrase「I have」

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女性星座

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